『わたしたちの手話 (1)』

3.5
本のレビュー

『わたしたちの手話 (1)』の概要

表紙写真
タイトル わたしたちの手話 (1)
編者 全日本聾唖連盟手話研究委員会
ISBN-10 4915675009
ISBN-13 978-4915675003
発行年 1969年
出版社 全日本ろうあ連盟

レビュー

『わたしたちの手話 (1)』は、ろうあ者のコミュニケーションの手段として重要な手話について、正しい統一的な手引きとなることを期待して昭和44年に初版が発行され、随時改訂を重ねてきたものである。

本書はあいうえおの指文字にはじまり、人間、政治・経済・法律、生産・労働、教育・福祉、文化・歴史、自然・自然科学、心理、動作・活動、疑問詞・時・場所・形・量、抽象、スポーツ、数詞、地名といった各ジャンルに属する手話を、かんたんなイラストと動作をあらわす説明文で紹介している。

1ページあたり2語、合計500語の手話を紹介しており、巻末索引で手話番号・タイトル・ページを逆引きできる。イラストがあるので端的でわかりやすいが、手話の語彙としてはこれだけでは足りず、後続で第10巻まで出ているとのことである。

昭和44年初版ということあって、今はなき「ソ連」の手話が堂々と掲載されているなど、時代に対応できていない部分がある。現在であれば『わたしたちの手話 学習辞典 I』や『標準手話ハンドブック』のような後継書籍がすでに出ているので、新たに手話を学習するのであれば、実際問題としてはそちらを見ることになりそうだ。